文 : 鈴木玲子
Fri.28.Jun.2013
前回の「50歳で出逢ったロックンロール」の掲載後、愚息に「色々な人が抜けていたね」と言われた。そうそう、ウルフルズについても書いていなかった。
ウルフルズの「ガッツだぜ!」は、凄いパワーがあった。
しかし、1995年当時、仮設住宅暮らしで萎えた不安定な心の私に、トータス松本は直射日光を浴びて、ギラギラ輝くヒマワリだった。眩しすぎたのだ。それこそ、”ガッツ”で何とか凌いでいかねばならない状況に「ガッツだぜ!」と歌われると、追い立てられているようでしんどかった…。心が翳っている時は、あっけらかんの晴天より曇天の方が柔らかで過ごし易い。寄り添ってくれるものに、心は慰められる。
華やかで激しいものから、身を潜めて1、2年が過ぎた。気が付けば、「ガッツだぜ!」のビデオを機嫌よく観ていた。その後は、すっかりウルフルズファン。元々R&Bが好きだったものだから、拍車がかかる。2000年代に入ってからも、「暴れだす」では思わず踊りだす始末だし、「サムライソウル」も大のお気に入りでビデオも大好きだった。
そんな私に3年前のウルフルズの活動休止は実に残念で…、「ええねん」という訳にはいかなかった。