文 : 鈴木淳史
Fri.8.Mar.2013
元あふりらんぽのPIKA☆ちゃんが「TAIYO33OSAKA」という活動を、一昨年の3月以降から始めている。そして、今年3月3日に「太陽大感謝祭」というお祭を、太陽の塔で有名な万博記念公園で催した。まぁ、詳細はHPを見て頂ければ。
さて、先日インタビューでお世話になった敬愛するロックンローラーが、こんな事を話してくれた。
「平和のためにロックを歌うとかじゃなくて、平和だからロックできてるのかなってなっちゃいますね」
まさしく、おっしゃる通りだと思った。個人や世間が怒っている時や悲しい時に、その気持ちをぶっ飛ばしたり、和ませてくれるのが娯楽だと考えている。だから、娯楽が、カルチャーが、表現が社会的思想などを持つのは、個人的に違うというより、僕は必要としていない。ただ、別に悪い事とも思ってないし、それこそ表現の自由である。
僕が初めてインタビューしたミュージシャンはあふりらんぽであり、彼女らにとっても初めてのインタビューだったという。解散ライブなどを収録したあふりらんぽ最後の作品となったCD+DVD「NEVER ENDING AFRRIRAMPO」のブックレットでは、彼女たちの最後となるインタビューも担当させてもらえた。個人的に、大変想いいれの強いミュージシャンだ。
昔からPIKAちゃんを知っていて、想いいれのある僕は、単純に彼女の行なう事を応援してあげたいと思っている。賛同とか共感とか小難しい事ではなく、自分のポリシーに反さない程度で、やってあげられる事をやりたい。それ以上でも、それ以下でもない。なので、僕は今回自分ができる宣伝活動として、UAさんとの対談をクイックジャパン誌で行なった。
3月3日に出演したミュージシャンや来場者全員が参加できる「1000人ドラム」で軸となる33人ドラムに出演したミュージシャンたち、みんな、そんな思いだったはずだ。それこそ「いいとも」に友達が出演するから花輪を贈る気持ち…、レコ発に差し入れを持っていく、そんな気持ち。それ以上でも、それ以下でもない。
当日その場には、多くの人がが危惧するであろう社会的思想や政治的思想はなかった。心の中にはそれぞれ思想はあるだろうが、誰かがそれを主張して、扇動するようなことは全くなかった。敬愛するロックンローラーのお言葉を借りるとしたら、「平和のためにロックを歌うとかじゃなく、平和だからロックができていた」という純正なる祭。
前述の33人ドラマーの中には、一般の方や普段中々大きな場所でドラムを叩く機会がない若手ドラマーも見受けられた。彼らは大きな野外の場所でドラムが叩ける事に陶酔して、没頭していたように思う。気持ち良かったのであろう。それは、何も悪い事じゃない。一方でPIKAちゃんを昔から知るドラマーたちは、やぐらでドラムを叩きながら指揮をとる彼女の一挙手一投足に集中して、彼女を立てるように、そして盛り上げるように丁寧に細やかに空気を読みながらドラムを叩いていた。脇役に徹しようとする、その美しい姿に僕は胸が熱くなってしまった。
平和だからロックができる…、強い気持ちと強い愛に溢れた素敵なロックフェスティバルであった。それ以上でも、それ以下でもない。
おあとがよろしいようで。