文 : 鈴木淳史
Thu.10.Jan.2013
明けましておめでとうございます。1月4日にぎっくり腰に突如なってしまい、丸2日寝たきりに…。
今、現在も特に調子が良いわけでなく、腰の鈍い痛みと向き合いながら、キーボードをひたすら叩いています。まぁ、そんな事ばかりも言ってられないので、何か明るい話でも一席。
ここ2年、Quick Japan誌のレビューページでも推してきた、とっておきの関西の若いバンドでも紹介したいと思います。
「はい、そこのお嬢ちゃん、ちょっと話を聞いとくれ 僕が好きなのはラモーンズ はい、そこのお嬢ちゃん ちょっと理由(わけ)を教えてくれ 君が嫌いなのはラモーンズ」と歌われる「ラモーンズ」。
この歌詞は本当に強靭であり、新しき日本語ロックのラブソングが誕生したと思ったのも事実。奈良の若き男の子ふたり組であるレッドスニーカーズ。
男子の恥ずかしいくらいの女子への素直な想いなどストレートな言葉が、90年代的にいうならピクシーズのようなソリッドなサウンドに乗っかる。若いくせに、憂歌団と↑THE HIGH-LOWS↓をこよなく愛するという渋い趣味。
ロックンロールやブルースが持つ土着的な魅力に取りつかれ、時代に左右されない根幹的な想いだけを歌う武骨さ。
病んだ若者たちに現代の歪んだ状態を赤裸々に歌い、癒しを与える若きセラピーロックバンドが必要な事もウケる事もわかる。それが四つ打ちなら、尚更ウケるだろう。
わかりやすければいいわけではないが、ある程度のわかりやすさが必要なのも世の常。目の前にいる聴衆を巻き込むことに、もっと意識的になれば、ギターボーカルとドラムの奈良の若き男の子ふたり組が全国の注目を集める事も難しくはないと思っている。
RED SNEAKERS 『RAMONES』 PV
さて、続きましては同じく古都の京都から現役女子大生4人組を紹介しましょう。くるりやキセルらの出身サークルとしても知られる立命館大学の「ROCK COMMUNE」。そんな歴史ある京都のサークルから、久々の本格派で御座います。
現役女性大生4人による、おとぼけビ~バ~。どう考えても、ラブホテルしか思い浮かばないところが、関西独特のアホっぽさを感じて嬉しくなる。
この世代の他の女性バンドと圧倒的に違うのは、泥臭さと熱量。あふりらんぽ、ミドリ、ニーハオ!ら’00年代初頭の関西シーンを彷彿とさせる。自分たちのグルーヴをしっかりと持ち、とにかく轟音でぶちかますのだから、気持ち良い。
何とも言えない乙女の恋心を覗かせた思えば、「パワフルブス」なんて歌ったりもする。そんな触れ幅のどうしようのなさも、特にライブを観ているとにやにやしてしまう。
最近は、少しふてぶてしさもあって堪らない。関西のバンドでありながら中々京都以外でライブが観れないのも残念なので、今年は関西で暴れまくって欲しい。
一昔前の京都のシーンというと、関西の中でも特に閉じこもったイメージがあったが、彼女たちには、どんどん殻を打ち破って欲しい。
おとぼけビ~バ~ 『ウルトラミラクルス~パ~サイヤサイケ(略)』 PV
まぁ、そんなわけで2013年は奈良と京都の2組に腰が抜けるくらい驚かして欲しいのです。
ぎっくり腰なんで既に腰が抜けてますから、逆に腰が治るくらい…。
おあとがよろしくないようで。