文 : 鈴木玲子
Thu.27.Dec.2012
今年も沢山のライブを観せてもらいました。
大晦日の謹賀魂が、いよいよ2012年最後のライブになります。
先日来、「『2012 ベストライブバンド』を選べ!」と、ウチの編集長(愚息)が言っております。ライブは、いつも一期一会。二度と同じものを体験出来ません。ライブハウスに出向いて思うのは、「音楽に対する意識とバンドとしての姿勢」という事です。そんな観点で、今年ライブハウスで観せてもらったライブを振り返ってみます。
神戸「太陽と虎」でもあのバンド。並外れた迫力に心をわしづかみにされ、感激で泣き出した女の子もいたっけ。
京都「磔磔」でのあのバンド。ビールを床に置き、必死の形相でダイブを支えに走っていった男の子もいたっけ。
十三「ファンダンゴ」でのあの人。聴衆全員トランス状態で、原始からのうねりに、ひたすら揺れていたっけ。
また別の日の十三「ファンダンゴ」でのあのバンド。メルヘンチック、それでいてロックンロール。年齢国籍バリアフリーになっていたっけ。
梅田「クラブクアトロ」でのあのバンド。いじらしい程の真摯さでステージを盛り上げるパワーに、みんないい顔になっていたっけ。
また別の日の梅田「クラブクアトロ」でのあのバンド。その凄み、大きさは他の追随を許さない。誰もが圧倒されていたっけ。
梅田「シャングリラ」でのあの人。みんな、独特の雰囲気に呑まれて、狂気の渦に溺れていたっけ。
心斎橋「ジャニス」でのあのバンド。4人が醸し出す、ちょっとシャイな感じ。そのブルースが懐かしく、体がリズムを刻んでいたっけ。
まだまだ、印象に残るバンドがあるのです。こんな中から、1つだけを選ぶなんて至難の技。しかし、悩んだ結果、2バンドになりました。どちらも外せないのです。
「スクービードゥー」と「キングブラザーズ」。
スクービーに初めて会ったのは5年前、シャングリラ裏の線路ぎわでした。シャープでスマートで、ちょっとシニカルな青年達。彼らは、毎回ライブで自己ベストを更新している。その強さに感服するのみです。あの貫禄、余裕すら感じられるステージ。誰もが認めるライブチャンプ。ライブスタイルは誰にも真似出来ない唯一無二…、スクービーワールドに魅了されます。
さてキングブラザーズといえば、4年前のシャングリラでの初めての出会いから度肝を抜かれました。ステージの音が扉を突き破って、外へと突進していくのです。誰にも媚びる事なく、真っ直ぐに自分達の音を繰り出すストイックさ…、その音の中に繊細さと哀愁が感じられ、胸に迫って来るのです。
そんなこんなで、私の思い入れで、この2バンドになりました。
2013年、又、新しい出会いがありますように。
どうぞ、よいお年を。