文 : amazarashi 秋田ひろむ

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amazarashiは秋田ひろむを中心としたバンド。
2010年のデビュー以来、一切本人のメディア露出のないながらも、絶望の中から希望を見出すズバ抜けて強烈な詩世界が口コミになり、またたく間にリリースされた6枚のアルバム全てがロングセールスを続けている。

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  1. あんたへ

    初回限定盤
    [DVD・文庫本ブックレット付]


    あんたへ

    通常版

    amazarashi
    「あんたへ」

    2013/11/20 発売
    初回限定生産盤 ¥2,100 (TAX IN) CD+特典DVD+文庫本ブックレット
    通常盤 ¥1,800 (TAX IN)

    1. 1.まえがき
    2. 2.あんたへ
    3. 3.匿名希望
    4. 4.冷凍睡眠
    5. 5.ドブネズミ
    6. 6.終わりで始まり
    7. 7.あとがき

Fri.13.Dec.2013

伝説のRPG

 僕はかなりの数のゲームをプレイしてきたが、それでも世の中には未だ見ぬ名作がごまんと溢れている。プレミア価格で手が出せないもの、古くて探しても見つからないもの、そういった過去の遺産とも言うべき名作達、それ等こそが僕にとっての“アーティファクト”であり、絶対に手にしたい“マジックアイテム”なのだ。

 今回もそういった“伝説のゲーム”を手に入れる事が出来たので紹介したい。「Baldur’s Gate完全日本語版」だ。
 でかい箱にCD-ROM五枚。分厚いマニュアルにポスターサイズ程のマップ。これにテンション上がらないならゲーマーなんてやめちまえ。

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 発売は1998年、カナダの制作会社BioWareが開発したパソコンRPGだ。
 このゲーム自体はそれ程レアという訳では無かったのだが、日本語版となると多少の希少価値があるようだ。僕が中古で買った完全日本語版は新品価格を越える事はなかったが、拡張シナリオを含んだ「バリューパック価格改定版」の方はプレミア価格がついている。

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 ゲームの内容はテーブルトークRPGの「アドバンスド・ダンジョンズ&ドラゴンズ」第二版のルールを採用したコンピューターRPGという事で、なんのこっちゃという人も多いと思うが、僕自身もよく分かってないので大丈夫。ただ、現代のRPGに慣れた僕の様なプレイヤーにはちょっとルールが複雑だ、くらいに思ってもらえればいい。

 僕のプレイ感を率直に書くと“2Dのオブリビオン”という印象。オープンワールドではないのだが、意外と広い世界をそれなりに自由に冒険している感覚は素直に楽しい。メインストーリーの進行状況や仲間の都合で、行動を縛られる状況がままあるが、それも含めて生きた世界を旅している感覚で、役割を演じるロールプレイという観点から見れば、これ程まっとうなロールプレイングはそうそうない。
 メインキャラクター一人を作ったあとは、各地に点在するNPCを仲間にできるのだが、その仲間もそれぞれ目的を持って冒険しており、プレイヤーが彼らの意向をないがしろにしていると文句を言われ、しまいにはパーティーから離脱してしまったりする。これが中々ゲームとしては厳しいのだが、集団行動での人間関係のギスギスした感じは「こういうのあるよなー」という感じで、ロールプレイ的にはとても楽しい。

 戦闘はRTS(リアルタイムストラテジー)風味で、最近のRPGで言えばファイナルファンタジー12やDragon Ageに近いだろうか。ゲーム終盤になると敵の魔法使いが使ったバフ効果を見破り、それを打ち消す魔法を使うなど、そういう戦略的な駆け引きはMMOにも通じるかもしれない。割と忙しい戦闘だがボタン一つで一時停止出来るので、じっくりと頭を悩ませてプレイできる。シミュレーションやストラテジー好きにもお勧めできるかもしれない。

 さすがに伝説のRPGと呼ばれているだけあって、僕もどっぷりとはまってしまったのだが、今からプレイするなら「Baldur’s Gate : Enhanced Edition」なるリメイク版がお勧めだ。

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 HD画面対応、追加要素盛り沢山、日本語対応(まだ少し不具合はある)など、いたれりつくせりな内容で、ダウンロード販売で安く買える。
 一時頓挫したと見えた日本語化にしびれを切らし旧パッケージ版を買ってしまった僕は、分厚いマニュアルをにやにや眺めながら、これでいいのだと自分に言い聞かせるのだ。

 それはそうと、amazarashi最新アルバム「あんたへ」発売中だ。現代音楽史に打ち立てられた“アーティファクト”と後世語り継がれる事になる伝説のアルバムだ。あなたはそれを手にとってもいいし、無視して立ち去る事もできる。