徒然ウィード
藪下

薮下晃正

1965年 福島県出身。
ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ A&Rルーム3チーフプロデューサーらしい。

TSUREZURE WEEDVOL.02

今回も徒然なるままにダラダラ書きます。
この前、クックパッドで煮卵のレシピ見てたら、コツ・ポイントのところに「水の分量で浸透圧をかえたら味が染込みました!」とか書いてあったんだけど、何か人間の脳も浸透圧によって吸収出来る時と出来ない時ってあるよね?最近何故かLIGHT MELLOWっていうかAORが煮卵の味噌や八角ばりに妙に染みてくる(笑)。新宿のディスクユニオンで買ったミックスCD『Late Night Tales Presents Music For Tales』(※①)の影響かな?これロバート・パーマーの「Every Kinda People」、TOTO「George Porgy」、ネッド・ドヒニー「Get It Up For Love」、ボズ・スキャッグス、10cc、ボビー・コールドウェルetcっていう今更の王道、大ネタ選曲なんだけど適度にリエディット&ミックスされてて超気持ちいい!このミックス・シリーズ、DJ KICSシリーズと並ぶユニークな切り口で、DJのみならずアーティスト、ミュージシャンが選曲するというもので、他にもMGMT、フレーミングリップス、トミー・ゲレロとかスライ&ロビーなんてのもある。以前、モテキのトリビュート企画で小泉今日子さんにゆらゆら帝国の「空洞です」をカヴァーしてもらった時に、プロデューサーの川辺(ヒロシ)くんがネッド・ドヒニーのアルバムを参考にしてたのが印象に残ってた。さらに前回も登場したTX五箇さんと、以前、女王蜂VS戸川純@新宿ロフトのライヴ後、旧新宿コマ劇場のすぐ隣にある老舗台湾料理屋、青葉で飲んだ時に酔っぱらった五箇さんがボビー・コールドウェルの『ロマンティック・キャット』の素晴らしさを若い女子に延々と語ってたのが印象的だった(爆笑)。ちなみにこの時、偶然女王蜂を見に来てたヘアメイクの中野明海さんと&スタイリストの河部奈津子さんに久々に会った!そのネッド・ドヒニーとボビー・コールドウェル、両方が選曲されてたので即購入!早速、五箇さんに連絡したのは言うまでもない(笑)。

※①『Late Night Tales Presents Music For Tales』

最近買ったCD。昨夜購入した非常階段・フィーチャリング・坂田明『メイド・イン・スタジオ』(※②)が素晴らしい!同時発売の2012年4月9日の新宿ピットインでの坂田明とのJAZZ非常階段名義でのコラボ・ライヴ盤と連動した、こちらはスタジオ録音盤。最初の一音から最強のノイズに圧倒されます!いつもノイズ・ミュージックを聞くたびに思う事だけど、究極の騒音の果てにはむしろある種の心地よい静寂を感じます。以前、スチャダラパーのリミックス盤を作ってた時に、当時、暴力温泉芸者だった中原(昌也)くんにリミックスをお願いして、コーラスを非常階段、インキャパシタンツの美川さんにクールファイヴの前川清ばりの「ワワワワー」でお願いしたのを思い出した(笑)。その後、信濃町のジョン万次郎で3人で飲んだなー。僕は日本のノイズ・ミュージックに何か活字プロレスに近い感覚を覚えます。しかしこのジャケ、ディープパープルのパロディってのがまた最高(笑)

※②非常階段・フィーチャリング・坂田明『メイド・イン・スタジオ』

荒木町のスナックアーバンで飲んでる時に、ママの臼井さんが、僕の隣に座ってたマイケル・アリアスを紹介してくれた。松本大洋原作の日本アニメ映画『鉄コン筋クリート』(※③)の監督だ。お互いの子供の話で、何故か怪獣、ウルトラマンの話で盛り上がる(笑)。マイケルと会って、久々に以前買った輸入版ブルーレイの『鉄コン筋クリート』を3歳の息子と見る。ちなみにこれ海外ではR指定(笑)。改めて良かった!しかし今見ると背景の変質的な細かさに圧倒される!そしてシロ役の蒼井優がメチャメチャかわいい!マイケル自身も言ってたけど、こりゃお金掛かってるわ(笑)。2006年はもはや昔、いい時代だったんだなー(笑)

※③輸入版ブルーレイ『鉄コン筋クリート』

そのマイケルとも話したけどウチの息子が異常に怪獣にハマってる(笑)。国内版のDVDだと4話で1800円もするので、新宿のビデオマーケットで輸入版のウルトラマンDVD BOX(※④)を購入。ウルトラマン全話コンプリートの4枚組で2000円だもん!ウチのDVDプレイヤーはリージョンフリーなので問題なし!さらにガメラ・シリーズ、昭和ガメラ(※⑤)は新宿のディスクユニオンで格安中古で発見!平成ガメラ(※⑥)も同ユニオンで、輸入版ブルーレイ、コンプリートで同じく2000円代と格安で購入。最近、怪獣漬けの毎日にちょい辟易(笑)。しかし所謂昭和特撮もの、モチーフはほとんど放射能ネタばかり…。戦後の原子爆弾のメタファーとしてのゴジラやガメラだったりするけど震災以降の目で見るとかなり無邪気な時代ですね。
そして金子修介の平成ガメラ、邪神レギオンとかちょいエヴァンゲリオン入ってるけど、1作目の舞台は仙台。怪獣の登場で仙台がコンプリートリーに壊滅。3作目では渋谷センター街炎上(笑)。何かこれも震災以降、ある種のトラウマ映画と化してる気がする。

※④輸入版DVD ULTRAMAN THE COMPLETE SERIES

※⑤DVD GAMERA THE BOX 1969-1980


※⑥輸入版ブルーレイ GAMERA TRILOGY

ここのところ、またアナログ熱復活!だってやっぱり音、いいんだもん!
家で適当に酒とか飲む時はアナログ、聴いてます。海外とかちょっとしたアナログ・ブームみたいだけど、アナログって切ればいいってもんじゃないなと思う。
この前、代々木八幡のNEW PORTでランチしてる時に、マスターの鶴ちゃんがYO LA TENGOの12インチ『Stupid Things』かけてて、クラウトロックみたいで良かったからすぐ買ったんだけど、12インチにしてはちょっとレベルが低かった。それに比べてZAZEN BOYSのアナログ盤の音、めちゃくちゃ良かった!以前KIMONOSでアナログを切る時に向井くんから連絡があった。「ゆらゆら帝国のアナログのカッティングをしているところを教えて欲しい!」ということでUKのThe soundmasters のKevin  Metcafe を紹介しました。元々はこだま(和文)さんに紹介してもらったんだけどKevinは昔のデヴィッド・ボウイとかUKルーツ・ロック・レゲエ、LOVERSの名作の数々を手がける最高のエンジニア!僕の大好きなダブマスター、デニス・ボォーヴェル参加の坂本龍一『B-2UNIT』もKevinだし以前、雑誌relaxの岡本さんとコラボして出してたUK LOVERSのコンピ、RELAXIN’ WITH LOVERSシリーズのアナログもKevinのところでカッテイングしてました!ちなみに今回のZAZEN BOYSのアナログ(※⑦)もKevinがマスタリング、カッティングしてて、前述のYO LA TENGOより収録曲数もタイムも多いのに全然レベルがでかくて抜けが良い!アナログってミックスは言わずもがな、収録タイムや溝の広さ、深さ、外周、内周、勿論回転数でも全然印象変わる。その用途によって全然攻め方が違うのでやっぱり研究必要ですねー、実際。

※⑦ZAZEN BOYSアナログ すとーりーず

さらに最近買ったアナログ。

ハルカトミユキのライヴを下北沢のGardenに見に行く前に寄った下北沢のディスクユニオンで、昔、(藤原)ヒロシくんなんかもちょくちょく顔出してた原宿にあったステッパーレコーズのかみのむらくんに見せてもらった故アリ・アップ率いるスリッツのレア盤、変名バンド、TYPICAL GIRLSのライヴ盤『LIVE IN CINCINNATI & SAN FRANCISCO USA』(※⑧)を格安にてゲット!これ内容はともかくジャケが漫画家の松本次郎の書く女の子みたいで可愛いんだよね。さらにデヴェンドラ・バンハートも日本で買って行ったという浅川マキ『浅川マキの世界』(※⑨)を新宿ユニオンにて購入。海外のアシッドフォーク的視点で聞くとまた新しいものとして聞けるから不思議。そういえばアヴちゃんも浅川マキ好きだって言ってたなー。フジファブリックのリハに行く前に寄った西新宿の確かVINYL JAPANだったかな?でスージー&ザ・バンシーズのスージー・スーの別ユニット、ザ・クリーチャーズのハワイ録音の和み系『フィースト』(※⑩)を500円にて購入。これ大学の時、一緒にバンドやってたケンちゃんがくれたミックステープにジャパコアとか、アクセプトの「ファースト・アズ・ア・シャーク」とかモーターヘッドの「エイス・オブ・スペイズ」なんかと一緒に入ってたのを覚えてる(笑)。今聞くとかなりアンビエントな感じで良いです!

※⑧TYPICAL GIRLS『LIVE IN CINCINNATI & SAN FRANCISCO USA』


※⑨浅川マキ『浅川マキの世界』


※⑩ザ・クリーチャーズ『フィースト』

そして最近みたライヴ。
前述の下北沢Garden『Best Happening! 〜ハルカトミユキ1st ep.発売記念「いつまでも黙っていると思うな」〜』のハルカトミユキ、素晴らしかった。フェリシティの櫻木先輩、SSTVの近藤さんに教えてもらい見に行ったのだが、何か大袈裟だけど、セックスピストルズを目撃したバズコックスみたいな、何か新しい才能が誕生する瞬間を目撃したような、その場にいた全員が証人のような、そんな瞬間に居合わせたような、蛹が孵化する瞬間の微かな音を耳にしたような。まだ感想がうまくまとまらないのでハルカトミユキに関してはまた改めて。しかし「Vanilla」(※⑪)、いい曲!
そして前後するけど、これもフェリシティの櫻木先輩に教えてもらった、渋谷のスペースシャワーが手がける素晴らしいライヴハウス、WWWの2nd Anniversary企画、ABRACADABRA 七尾旅人×田我流をまたしてもTX五箇さんと見に行く(笑)。田我流に関して前回のWWWのワンマンも見に行ったんだけど、今ラッパーに限らず個人的に一番気になるアーティストかも!リキッドルームのスタッフに紹介してもらって初めて本人と話したんだけど、緊張してしまい、もうただのファン状態(笑)でも最近、僕の周りで本当によく田我流の名前を聞く。そしてライヴを見に行くと必ず知り合いに会うんだよね。前回のワンマンの時はカクバリズムの角張くんとかOKAMOTO’Sのレイジとか、本当に色々な人に会ったなー。角張くんも言ってたけど気分は高校とか中学のツレを応援しに行く感じ(笑)。今回は田我流主演の映画『サウダージ』の冨田(克也)監督も駆けつけてた。同会場で今年、爆音上映で見た冨田(克也)監督の『国道20号線』、あれも凄かったなー、爆音上映の『国道20号線』、究極のアシッド・ムービーでした(爆笑)。そういえば前回のワンマンの後の山中湖スウィートラブシャワーで見たceroのライヴ、ヴォーカルの子がSTILLICHIMIYAのあのTAMIYAのパロディのTシャツ着てたの、僕は見逃しませんでした(笑)。今回のライヴもワンマンに負けず劣らず素晴らしく、最後の七尾旅人とやけのはらとのセッションによる「Rollin’Rollin’」で泥酔して終始弾けまくる田我流にやけのはらが「田我流、自由だなー」って突っ込んでたの何か可笑しかった(笑)。しかし田我流の『B級映画のように2』(※⑫)は傑作です!終演後の物販に並ぶも目当のSTILLICHIMIYAのTシャツは無し、残念。勿論、七尾旅人、やけのはらは言うまでもなく、両者ともかなりヤバいところにいってますね。特に七尾旅人に関してはCDもいいけど、やはりライヴがあまりにも素晴らし過ぎる!百人組手じゃないけど、あの即興性とパッションはもはや唯一無二!MCで言ってたZAZEN BOYS向井くんの「赤とんぼ」聴きたくなりました。「サーカスナイト」の12インチ、今度買おうと思ってます!
あとはLIQUID KATAのTwee Grrrls Club Night#1(http://www.kata-gallery.net/events/twee-grrrls-club-night-1/)で見たMAHOΩ(マホー)のライヴがメチャメチャ、キュートだった。
こちらもまたまたYOUTH RECORDSの庄司くんに教えてもらったんだけど、ちょっと上手く言葉では表わせない魅力をもった男女混合8人組!会場でビームスレコードの青野さんに久しぶりにあった。後でイベントの詳細見てたら元スパイラルレコードの山崎くんとか上述のNEW PORTの鶴ちゃんこと鶴谷くんもDJやってたのね。翌日もジョン・スペンサーのフロント・アクトの女王蜂を見にまたまたLIQUIDROOMへ。そしたらまたまたLIQUID KATAで知り合い系の渋谷のcafé bandaの周年イベントやってました。そこで現エイベックスの小林くんに、今までニアミスしてたムードマンを紹介される。LIQUID KATA、ちょっと注目のスペースですね。
ちなみにMAHOΩ(マホー)については現在、全く情報が無いのでまた改めて。
つづく。

Thu.22.Nov.2012